CASIOの腕時計「G-SHOCK」ガルフマスターは海での使用を想定されたモデルだけあって非常に釣りにも使いやすい腕時計です。
とはいえガルフマスターは実際に釣りで使いやすいのだろうか?
多機能であるので実際に釣りに使えるのか?を考えながら、釣りにて最強の腕時計と呼べるのか使用感を記述してみます。
G-SHOCK ガルフマスターとは
G-SHOCKのアウトドアウォッチとして展開している「陸G・海G・空G」の中で、過酷な環境下での使用を想定しG-SHOCKが誇る耐衝撃構造にさらなる特化機能をプラスしたMASTR OF Gシリーズの海Gモデルがガルフマスターです。
デジタルに加えてアナログ化されたのが特徴で、各シチュエーションに特化した機能を備えています。
シリーズ | 歴代モデル | MASTER OF G |
---|---|---|
陸G | マッドマン レンジマン | マッドマスター |
海G | ガルフマン フロッグマン | ガルフマスター |
空G | スカイコックピット | グラビディマスター |
ガルフマスターのモデルラインナップは以下の通りとなっているようです。
世代 | 発売日 | 型番 | 搭載センサー | 計測センサー | タフソーラー | 定価 | 特記 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
初代 | 2014.6 | GWN-1000 | トリプルセンサー | ・温度 ・方位 ・気圧&高度 | 有り | 62.700 | 現行モデルとして継続中 |
2代目 | 2015.6 | GN-1000 | ツインセンサー | ・温度 ・方位 | 無し | 35.200 | 廉価版モデル |
3代目 | 2016.8 | GWN-Q1000 | クワッドセンサー | ・温度 ・方位 ・水深 ・気圧&高度 | 有り | 108.000~ | 生産終了 |
初代ガルフマスターは2014年に海上に特化したモデルとしてトリプルセンサーを搭載し登場、翌年には廉価版としてツインセンサーモデルも販売。
最終後継モデルとなる3代目ガルフマスターはクワッドセンサーを搭載しましたが、高価格とフロッグマンの人気に押されたのもあってか伸びず生産終了となりました。
初代ガルフマスターはその完成度、実用性の高さから人気があり、今も生産が続くロングセラーモデルとなっています。
今回の記事は現行モデルである初代ガルフマスター(GWN-1000)が釣りに使いやすい時計なのかをインプレしてみます。
※僕は3代目を使用していますが廃版の為、初代と同機能を使用します。
ガルフマスターの主な特徴
G-SHOCKの特徴として20気圧防水・耐衝撃構造があり、海の中で使用が出来る事と頑丈である為、アナログ時計でありながらロッドを振る操作の振動にも壊れる事無く使う事が出来ます。
LEDオートライトも搭載しているので夜間でも時計としての機能はスマホと比べて瞬時に使用が可能です。
そしてガルフマスター(GWN-1000)としての大きな特徴としては
の3つがある事だと思います。(※廉価版である2代目GN-1000は気圧センサーはありません。)
このタイドグラフと気圧測定が果たして実用(実釣)向きなのか?果たしてオマケ程度の物なのか?という点が非常に気になるところ。
では、釣りにおいてガルフマスターが基本的な時計としてから釣果にまで影響するのか使い方を考えながら使用していきたいと思います。
各種センサーと機能の正確性
まずはガルフマスターに搭載されているセンサーと機能のうち釣りに使えそうな物として、気温・方位・タイドグラフ・気圧測定がありますが、気になる正確性はどの程度でしょうか?
気温センサーの正確性
気温センサーですが、設定で調整して合わせればおおよそ正確だと思います。
エアコン23度設定で他2つの気温計とほぼ同じ値を示しています。
ただし、
腕時計として手に装着すると腕の体温をひろってしまい、見当違いな温度を示してしまいます。
つまり、腕に装着した状態では正確な温度を測ることは出来ません。
正確な気温を測る場合には説明書にある通り、腕から外してしばらく置いておく必要があります。
腕時計と気温計は構造上相性が悪いと言えますね。
方位の正確性
方位の正確性を比較してみました。
コンパスが無いのでiphoneと比較してますが、おおよそ正確だと言えます。
ガルフマスターの「COMP」モードにすると秒針が北を示し、液晶画面が時計上部の方位を表示します。
タイドグラフの正確性
ガルフマスターには海の情報を知る機能として、「潮の干満」と「月齢」の2つを調べることが出来ます。
月齢表示とは
月齢とは簡単に説明すると「月の満ち欠けの状態を示す数字で、新月から何日経過したか」を表します。
月の周期は約29.5日間ですから、0~29の数字で表します。
ガルフマスターでは月齢表示により、今日の潮回りを調べる事が出来るわけですね。
潮の干満
月齢表示により今日が何潮か判断したら次は、現時点での潮の干満差はタイドグラフで調べる事が出来ます。
「今が満潮なのか、干潮なのか」はこの矢印で示してくれます。
常に時計に表示してくれます。
写真のタイドグラフだともうすぐ満潮になる事がわかりますね。
ただし、現在の潮位を知る機能はありませんので現場の潮の流れを読むには知識と経験が必要となります。
気圧計の正確性
ガルフマスターの気圧測定には、常時計測している「30分もしくは2時間置きの自動計測」と現在の気圧を即時に計測する「BAROモード」があります。
・自動計測では設定した間隔の気圧をグラフで表示し、気圧の変化や天気を予想する目安として使用可能です。
・BAROモードでは現在の気圧を、計測開始してから3分間は5秒ごとに計測、その後は2分ごとに計測しリアルタイムな気圧を測定してくれますので釣り中の今の気圧を確認する時に使えます。
・またBAROモードでは気圧傾向インフォメーション機能があり、設定すると2分毎に気圧を測定し注意すべき気圧の変化があるとアラームで教えてくれます。
こちらはキャンプ等で活躍しそうですね。
では、ガルフマスターの気圧表示が実際の気圧との正確性はどうでしょうか?
伊良湖観測所で計測している気圧と比較してみます。
おおむね正確です。
正確性を確かめる方法が比較しか浮かばなかったので参考程度で。
観測所のデータとズレていても修正はもちろん可能ですが、そこよりも釣りにおいては実際に釣れた日の気圧の基準が分かる方が大事だと思いますので多少ズレていても問題は無いかな?とも思います。
気圧の上下により潮位も変わり、それが潮の流れの速さにも影響してくるからです。
台風時の気圧を計測してみた
2022/9/19現在の台風14号ナンマドル接近中の気圧の変化が分かり易かったので参考に。
ガルフマスターデジタル表示の2時間置きに自動計測している気圧グラフが右下がりに急下降しているのがわかります。
台風ナンマドルの中心気圧は975hpaと発表がある通りの超低気圧なので、台風が近づいている為気圧が急下降しているわけですね。
気圧が1000hpa以下になる事は台風でないとみられないです。
同時刻の伊良湖観測所の気圧計測値と比較しても大きな乖離はありません。
ざっくりとした大気圧の計測は出来ていると思って問題無いかと思います。
これだけ大きな気圧差が生まれているのであれば、海に与える影響も大きいと思います。
人間には感じられない気圧をガルフマスターは読み取ってくれるのは非常に面白い機能ですね。
高度計の正確性
ガルフマスターは気圧の変化量を計測して高度も測定する事が出来ます。
正確性に関しては気圧から計算して現在の高度を算出しているため、気圧計として正確であれば高度計もそれなりの精度を出してくれるはずです。
では、実際に岐阜県の奥飛騨へ行ってきたときの高度を比較してみました。
奥飛騨の現地海抜の目安とガルフマスターと比較してみました。
海抜1240mの場所で計測値1220mですので目安としては役割を果たしています。
ロープウェイでの高度変化ではすごい勢いで高度が変化しているのが分かり、面白いです。
今いる場所は、さっきいた場所より500mも高い場所にいるんだ、とか。
高速道路を運転している時も、グングン高度が上がって行ったりするのが分かるので山へ向かってるんだなと実感したり。
川で釣りをされる方なんかは海抜どれくらいの場所で釣りをしているのかとか、川の高さの範囲を調べればここからが急斜面で流れが速そう、等の使い方が出来るかもしれません。
ガルフマスターは時計として釣りに使えるのか
ではガルフマスターが釣りに使えるのかを調べていきます!
そもそも時計として使いづらいのでは機能がいくらあっても意味がありませんのでむしろここが一番重要と言えるかも。
釣りに使用しても壊れないか
僕は腕時計は左手に着用し、ロッドも左手に持ってキャストします。(左利きなので。)
心配なのがロッドのフルキャストにアナログ時計が耐えられるか?という点なのですが、結論から言うと全く問題ありません。
上の画像はガルフマスターの説明書なのですが、ここはさすがG-SHOCK、今時の説明書にしてはすごい強気です。
こう問題無いと言い切ってくれるのは長年の実績があるからですね。
モトクロスの悪路走行の振動で耐えられるなら釣りのキャストは余裕でしょう。
夜間でも問題無く時間が見えるか
釣りは当然夜間で行う事が多いので、夜でも時間や表示が読める事が絶対条件となります。
ガルフマスターにはLEDライト機能が搭載されておりますので問題無く使う事が可能で、ライトボタンを押すと1秒か3秒(設定可能)照らせますので視認性に関しては問題ありません。
スマホ取り出すより時間確認が遥かに早いです。
蓄光もありますので、LEDライトを表示させるとその光でしばらくの間ぼんやりとですが時間を読む程度の明るさはキープします。
iphoneカメラが優秀なので蓄光がかなり明るい様に見えますが、実際はぼんやり程度の明るさで、ギリギリ時間が読める程度。
腕を傾けると自動で光るオートライト機能もありますが、キャストのたびに光るので手動ライト点灯がおすすめです。
釣りだけでなくキャンプや山登り等のアウトドア全般でライト機能は本当に重宝します。
防水性能は?
ガルフマスターの防水性能は20気圧防水です。
20気圧防水は海で泳いでも問題ないレベルの防水性能である為、水に入れても問題ありません。
雨が降ろうが、仮に海に落としても大丈夫です。
釣り終わりにそのまま手を洗う事もあるでしょうし、タックルを洗う時にもいちいち時計を外す気を遣う必要もありません。
むしろ海の潮をかぶった場合は真水で洗いましょう。
それくらいタフな時計ですb
ガルフマスターは総じて釣りに有効か?
それでは、ガルフマスター実際に釣りに使える腕時計と言えるのでしょうか?
僕が実際に使用した感想を率直に述べてみます。
頑丈で釣りでも荒っぽい使用にも耐えられる!
僕の中で、結局このタフという信頼感が一番ガルフマスターの釣りに使える一番優秀だと思う所です。
G-SHOCK全般に言えますが激しくロッドをシャクったりフルキャストしようがマジで壊れません。
アナログ針の精密機械を腕に着けて振り回しても壊れないのはよくよく考えるとスゴイと思いません?
説明するまでも無くG-SHOCKはアウトドアでこそ本領を発揮します。
普通の時計では汚れやキズを気にしてしまいがちですが、G-SHOCKにとっては野暮ですね。
ちなみにバンドは全モデル、服の上からでも装着できるように長めに作られています。
水に強く海中に沈めても問題無し
ガルフマスターは20気圧防水の腕時計なので釣りには本当に活躍します。
釣り中の雨も気にしなくて良いですし、釣行後のタックル洗う時にもいちいち時計を気にして外さなくてもOKです。
20気圧防水は時計したまま泳ぐ事も出来る防水性能ですので、ウェーディング中に海底にひっかかったルアーを手で取りたいシチュエーション等でも、気にせず海中に時計したまま手をつっこんでますが全然大丈夫でこれは本当に便利です。
海でもプールでも時計付けたまま泳げるのは素晴らしい。
※海水に浸けたら釣行後には必ず真水で洗ってください。またお風呂やサウナはパッキンがやられるのでどんな時計でもNGです。
普段使いや、突発的な釣行時の潮回り確認に使える
ガルフマスターはデザイン性も優れているので、ゴツ目ではありますが普段使いにももちろん使えて僕は気に入っています。
日常で使用している時にも常に干満を一目で確認できるので、ふと時計を見た時に、これから下げ潮か、釣りいこうかな!?と思い立つように釣行に行くことも。
日の出/日の入も確認出来るのでマズメチェックも可能です。
まぁスマホでも確認は出来るんですが、釣りにいくきっかけになったりしてます。
仕事で腕時計が使える人は仕事中に潮回りの確認も出来ちゃいますね。
タイドグラフは自由に調整補正出来るので、自分がよく行く地域の潮見表とのズレを修正する事でリアルな干満を表示させられます。
僕の地域は潮見表の約2時間前後の遅れが実際の潮回りになる事が多いので、調整して使用してます。
ちなみに画像のグラフ指針は5コマ刻みなので目安といった感じで、デジタル表示のボタン操作で干満の時間を表示出来ます。
気圧計で潮位偏差の把握
釣行開始したらBAROモードで現場の気圧を測定してみます。
良くいく釣り場だと毎回計測しているので普段より気圧はどうか、潮位はどうかと気にすると面白いですね。
気圧を見る際にいれて置きたい知識としては
1hPa(ヘクトパスカル)というと大したこと無い感じがしますが、1㎡あたり10kgの重さの圧力が変わるって考えると結構すごい感じがしません?
従って高気圧であれば下げ潮がよく効きますし、低気圧であれば上潮が効きやすくなり、潮の流れの速さや、その時の潮位にも影響してきます。
釣れた日の気圧が分かれば、潮が効かない日でも気圧差による潮位変動から、釣れた日と同じくらいの潮の流れが期待できるか?等といったヒントになりますね。
ガルフマスターは釣りが楽しくなる時計です。
結論、ガルフマスターは釣りに最強の腕時計と言えると思います。
スマートウォッチ等機能面だけでなら敵わないと思いますが、ガルフマスターには防水性・耐震性・ファッション性に優れておりOSのアップデートも必要無い為、長期間パワフルにフィッシングライフを支えてくれる相棒になります。
月齢表示や気圧等、タイドグラフとしては知識がないと使いこなすのは難しいですがそこがまた「腕時計」である良い意味でのアナログ感がしますね。
というか、タイドグラフなんてスマホで調べればいくらでも分かるので正直どうでもよく、ガルフマスターは釣りでも壊れない、海にダイブできる、暗くても瞬時に時間が見れる、気圧で潮の流れを読んだり高度を測って釣る為のヒントを見つけられるってのがスマホには無い、釣り時計としての魅力かなと思いました。
時計を通じて釣りをもっと楽しくしてくれる、ワクワクさせてくれるそんな時計でした!
釣りに使える腕時計を探している人の参考になれば幸いです。
現行モデル GWN-1000シリーズ
記事内で使用した機能は全て使用可能な実用性、価格共に釣りに非常におすすめのモデルです。
電波ソーラーや気圧計等のセンサー付きでこの値段は非常にコスパが良いです。
実売4万円弱と手頃な価格で長く使用が出来、普段使い&釣り腕時計として非常に優秀です。
廉価版 GN-1000シリーズ (生産終了)
廉価版モデルで一部機能の制限がありますがお手頃な値段です。
気圧計、タフソーラー等機能はありませんが20気圧防水、耐震機構はもちろんついてますので余計な機能はいらない、海で良い意味で雑に、タフに使いたい人向きです。
気圧計が無い為、ベゼルには気圧差を表す数字が刻印されていません。
余計な機能はいらないから安くて、20気圧防水がついて頑丈な時計が欲しいという人向けです。
クワッドセンサー GWN-Q1000シリーズ (生産終了)
水深が測れるセンサーが追加され、風貌にサファイアガラスを使用したハイエンドモデル。
ガルフマスターの中で最上位モデルです。
釣りで水深を測る事は無いと思うのでオーバースペックですが、素材や雰囲気も値段なりに仕上げてくれており、より長く頑丈に愛用していきたい人向けです。
※この記事で使用しているモデルはこちらのGWN-Q1000MCA-1BJFです。
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